Le Journal Blanc ~白のジャーナル~

あなたの明日をもっと輝かせる、素敵な気づきのお話。ふわっと、時に凛と。

#3 まっすぐ見つめると人生は好転をはじめる

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*先入観にとらわれず、その日、その時のその人と会ってみる

今日は、人や物事をまっすぐみつめる男性の姿から、気づいたことについてお話したいと思います。

 

その男性は、TVでトークショーの司会を務めてきた方でした。

長く続いたその番組もまもなく終了することが決まり、その方がインタビューを受けていらっしゃる様子がオンエアされていたのです。

 

「毎回複数のゲストを招いてのトークショーでしたから、ゲストについての予習が大変だったでしょう?」

インタビュアーからそう訊かれた司会者の方は、「いえいえ」と微笑んでこう言われたのでした。

「例えば俳優さんなら最近どんな作品に出演されたとか、知っていないと失礼に当たる最低限のことは一応頭に入れておきますが、それだけです。

極力事前に情報は入れないようにしているんですよ。

来てくださったその日、その時のその方にお会いする方がいいと思って」

 

インタビュアーは、予想外の答えに驚いたようで、一瞬言葉に詰まっていました。

その気持ちもわかりますよね。

 

毎日毎日、複数のゲストを招き、円滑に番組収録を進めなくてはならないのです。

ゲストがどんな方か、どのような話で水を向ければ盛り上がる話をしてくださるか、事前に細かく予習をしておけば、収録の流れが予想出来ますから、安心して当日を迎えることが出来るはず。

それなのに、最低限の情報以外は避けて収録に臨むなんて、いくらベテランの司会者の方とはいえ、どれほど勇気の要ることでしょう。

 

「その日、その時のその方にお会いする方がいい」

 

司会者の方のこの言葉に、私はハッとさせられました。

これこそ、人と人が出会う時の、最も誠実な態度ではないだろうかと───。

 

 

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 *無垢な心で向き合うと、相手の思いや心が沁み通るように入ってくる

FacebookTwitterInstagram、etc.。

SNSが広く普及したこの時代、検索さえすれば、相手について様々な情報を知ることが出来ます。

出身地、現在の居住地、年齢といった基本スペックはもちろんのこと、誰と誰が友人関係で、昨日はどこへでかけ、何をしたか。

その人の日常をつぶさに知ることも可能です。

 

いつどこで誰と会うと決まれば、あらかじめネットでその人に関する情報を集め、頭に入れてから会うことも、当たり前のようになされていますよね。

仕事で会う人であれば、何も知らずに会うのは寧ろ失礼という場合もあると思います。

 

けれど、プライベートで人と会う場合も、ある程度予習してから……という方が増えているのではないでしょうか。

それは、生真面目な日本人特有の気質からなされる場合も多いのではないかと想像しますが、でも。

 

多くの情報を頭に入れてから人と会うと、せっかく同席して向き合っているその場は、事前情報とリアルの誤差がないか確かめる「答え合わせの時間」として、すこし矮小化されてしまうような気もするのです。

 

顔を見て会話するだけなら、チャットやFacetimeで簡単に用が済む今、わざわざ足を運んで会うことが貴重な今だからこそ、なるべくあたたかで、実りある時間にしたいと願ってしまいます。

 

「こういう経歴で、こういう趣味志向の○○さん」であるという先入観を念頭に置いて会っている限り、せっかく時間を作って自分に会いに来てくれたその人の、その日、その時の真実と向き合うことにはならない。

そんなふうにも思えて───。

 

先入観にとらわれることなく、まっさら、無垢なこころで人と向き合ってみる。

すると、予見がフィルターをかけてしまわない分だけ、相手の方の思いや心が、沁み通るようにまっすぐ、自分に入ってくる気もします。

 

初めて出会う人だけではなく、既に知っている人のことも、知っているからと思い込まず、先入観に囚われることなく、まっすぐ見つめられる人間で在りたい。

多忙な日常の時間を割いて自分と会ってくださる方の、その日、その時の真実と、誠実に向き合い、心を汲める人になれたら───。

 

ベテラン司会者の方のひと言のお陰で、そんな風に考えるようになりました。

 

 

あなたが誰かと向き合う時間が、お互いの思いや心をまっすぐ見つめあう、澄みわたる時間となりますように。

そのような時間の集積が、あなたの人生をあたたかなものとして育んでくれますよう、祈っています。

 

 

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 *Web magazine`Project DRESS’で、コラム「人生が好転する気づきの美習慣」を連載させていただいています。