ぬくもり
私はフリーランスで仕事をしています。
企画書や、さまざまな文章をPCに向かって書く時間が長くて、
多くは自宅で、ひとりっきりの作業です。
そのため、気分を変えようと、よくカフェへと足を運びます。
あえてPCもスマホも持たずに、文庫本だけを携えてでかけることも。
画像は、最近よくお邪魔しているブーランジェリーです。
ほわほわと湯気のたちのぼる焼きたてのパンは、かみしめるほど小麦の味わいが沁みてきて、
熱いカフェラテは、こくんと飲むたび、身体が芯まであたたまって。
それからしばらくお気に入りの小説のページなど繰っていると、
心からほっとして、癒されている自分に気づきます。
そういえばこちらのお店、なんだか特別やすらぎを感じるけれど、なぜかしら?
昨日考えてみて、気づいたのです。
かごとパン。これなんだなと。
ひとつひとつ、人の手で編まれたかご。
ひとつひとつ、人の手で形づくられ、焼き上げられたパン。
どなたかが想いをこめて、丁寧に作られたものだからこそ湛えている、やさしい気配。
人のぬくもりが満たす空間だから、こんなにあたたかな癒しをいただけるのだと───。
人の心を包み、あたため、癒すのは、いつだって、人。
そんな当たり前のことに気づいたことで、生きている幸せが、じんわり沁みてきた午後でした。
「なんでもないようなことが 幸せだったと思う」
そんな歌がありましたね。
自然の猛威に晒されたり、予期せぬ試練に見舞われたり。
何気ない日常が続くことが、決して当たり前ではないことを知るたび、
なんでもないようなことの幸せを、胸深く実感するのです───。
皆さん、どうぞやさしい休日を。
お仕事の方は、ご一緒にがんばりましょうね。
*Web magazine`Project DRESS’で、コラム「人生が好転する気づきの美習慣」を連載させていただいています。